資料名通勤費非課税限度額変更時の遡及計算 対象PCA給与

PCA給与システムでの通勤費非課税限度額変更時の遡及計算

令和8年5月1日から通勤費非課税限度額を変更した場合に、5月以降すでに支給した給与の通勤費を遡及計算し、非課税額の差額を年末調整で調整するまでの流れを、計算例でご案内します。

≪計算例の概要≫
変更前(当初の設定)変更後(令和8年5月1日〜)差額
通勤費 支給額(月額)40,000円40,000円—
うち 非課税額31,600円40,000円+8,400円
うち 課税額8,400円0円−8,400円
遡及対象(5月〜10月の6回)8,400円 × 6回非課税差額 50,400円

※ 社員「0003 遠藤 大由」(通勤費区分10・交通用具使用)、通勤費 月額40,000円の場合の例です。

≪操作手順≫
  1. 変更前

    「前準備」-「通勤費非課税限度額の登録」で、当初の設定内容を確認します。

    当初の通勤費非課税限度額の登録画面
    当初の設定(令和7年4月1日〜)

    当初の設定では、社員マスターの通勤費は 非課税額 31,600円/課税額 8,400円 となっています。

    変更前の社員情報の登録 通勤費タブ
    社員情報の登録[通勤費]タブ(変更前)

    賃金台帳では、5月以降も 非税通勤 31,600円/課税通勤 8,400円 で支給されています。

    賃金台帳入力画面 非税通勤と課税通勤
    賃金台帳入力(1月〜10月支給分)
  2. 変更後

    「前準備」-「通勤費非課税限度額の登録」で、[期間の変更]から使用期間を追加し、令和8年5月1日から新しい通勤費非課税限度額に設定します。

    ※ 期間の追加方法は「PCA給与システムでの駐車場代の非課税限度額の設定方法」の手順2〜4と同じです。

    令和8年5月1日以降の通勤費非課税限度額の登録画面
    令和8年5月1日〜の設定
  3. 社員マスターの通勤費が自動で変更されます。「社員」-「社員登録」-「社員情報の登録」の[通勤費]タブで確認します。

    例:非課税額 31,600円 → 40,000円、課税額 8,400円 → 0円

    変更後の社員情報の登録 通勤費タブ
    社員情報の登録[通勤費]タブ(変更後)
  4. 「社員」-「遡及計算」を起動し、次のとおり設定します。

    計算・修正期間[支給回]を選択し、[給与]の[期間指定]で5月から最終までを指定します。
    [賞与]のチェックは外します。
    項目パターン(給与)[設定]から新規作成し、[課税通勤費]と[非課税通勤費]を選択します。
    遡及計算画面新規作成で課税通勤費と
    非課税通勤費を選んでください。
    遡及計算画面
  5. [計算]ボタンを押し、計算画面で[計算(F5)]をクリックします。

    計算画面
    計算画面
  6. 計算結果の[非課税差額合計]を確認します。この例では 50,400円 となります。

    ※ 5月〜10月の6回分 × 8,400円 = 50,400円

    遡及計算結果 非課税差額合計50,400円
    遡及計算の結果(非課税差額合計 50,400円)
  7. 年末調整時に、「年末調整控除項目入力」の[前職分・調整額]タブで、[総支給額からの調整額]に非課税差額をマイナスで入力して調整します。

    例:総支給額からの調整額 −50,400

    年末調整控除項目入力 前職分・調整額タブ
    年末調整控除項目入力[前職分・調整額]タブ
≪駐車場代を含める場合の例≫

例:駐車場代 8,000円を含める場合

通勤費 40,000円に駐車場代 8,000円を含めると、非課税額は月 48,000円 となり、1回当たりの非課税差額は 16,400円 となります。

※ 5月〜10月の6回分 × 16,400円 = 98,400円(年末調整の[総支給額からの調整額]は −98,400 となります)

社員情報の登録 通勤費タブ 駐車場代を含めた設定
社員情報の登録[通勤費]タブ(駐車場代 8,000円を含める場合)
駐車場代を含めた遡及計算結果 非課税差額合計98,400円
遡及計算の結果(駐車場代を含む場合:非課税差額合計 98,400円)
≪よくある質問(Q&A)≫

令和8年度改正による通勤手当の非課税限度額(駐車場等の料金相当額の加算)について、国税庁のQ&Aをもとにまとめています。質問をクリックすると回答が表示されます。

1 適用時期

Q改正後の非課税限度額は、いつから適用されますか。
A

令和8年4月1日以後に支払われるべき通勤手当から適用されます。支給日が決まっているものはその支給日、決まっていないものは実際に支給を受けた日で判定します。

給与規程の改訂を過去にさかのぼって実施し、新旧の差額を追加支給する場合は、その差額の支給日(支給日が決まっていない場合は改訂の効力が生じた日)で判定します。

※ 令和8年4月1日より前に支払われるべき通勤手当の差額を追加支給するものには、改正後の非課税限度額は適用されません。

2 非課税の対象となる駐車場等の範囲

Q非課税となる「一定の要件を満たす駐車場等」とは、どのようなものですか。
A

通勤に使う交通用具を駐車するための施設のうち、次のいずれかの周辺にあるものをいいます。

  • その人の勤務する場所
  • その人が通勤に利用する交通機関の駅・停留所その他の施設(フェリー乗り場や空港など)

この駐車場等の料金相当額(上限5,000円)が非課税限度額に加算されます。

Q自転車やバイクの駐輪場も「駐車場等」に含まれますか。
A

含まれます。通勤に使う自転車やバイクの駐輪場も対象です(上限5,000円)。

Q複数の駐車場等を利用している場合は、料金の合計額が非課税になりますか。
A

いずれも「一定の要件を満たす駐車場等」に該当すれば、料金の合計額が対象になります。ただし、合計しても上限は5,000円です。

Q自宅付近の駐車場等の料金相当額は非課税になりますか。
A

非課税になりません。対象は勤務先や駅・停留所などの周辺にある駐車場等に限られ、自宅付近の駐車場等は該当しません。

3 駐車場等の利用がある場合の非課税限度額の計算

Q交通用具(車など)を使い、駐車場等の料金も負担している人の非課税限度額はどう計算しますか。
A

①通勤距離に応じた非課税限度額 + ②1か月当たりの駐車場等の料金相当額(上限5,000円) の合計額です。片道2km未満の人は除かれます。

片道50km(距離に応じた限度額 32,300円)の場合の計算例:

ケース給与での支給額駐車場料金(マスター設定)非課税限度額非課税額課税額
A32,300+8,000=40,300円8,000円 → 5,000円37,300円
(32,300円+5,000円)
37,300円3,000円
B28,000+8,000=36,000円8,000円 → 5,000円37,300円
(32,300円+5,000円)
36,000円0円
C33,000+4,400=37,400円4,400円36,700円
(32,300円+4,400円)
36,700円700円
D区分せず 35,000円4,400円36,700円
(32,300円+4,400円)
35,000円0円

※ ケースDのように、距離分と駐車場分を区分せずに支給していても、合計額で非課税限度額と比較します。

ケースA

社員情報の登録 通勤費タブ ケースA
社員情報の登録[通勤費]タブ(ケースA:片道50km・駐車場代 8,000円)

片道75km(距離に応じた限度額 52,700円)の場合の計算例:

ケース給与での支給額駐車場料金(マスター設定)非課税限度額非課税額課税額
152,700+8,000=60,700円8,000円 → 5,000円57,700円
(52,700円+5,000円)
57,700円3,000円
248,000+8,000=56,000円8,000円 → 5,000円57,700円
(52,700円+5,000円)
56,000円0円
353,500+4,400=57,900円4,400円57,100円
(52,700円+4,400円)
57,100円800円
4区分せず 56,000円4,400円57,100円
(52,700円+4,400円)
56,000円0円

※ 片道75km以上85km未満の距離に応じた非課税限度額は52,700円です(令和8年4月1日以後支給分)。

ケース1

社員情報の登録 通勤費タブ ケース1
社員情報の登録[通勤費]タブ(ケース1:片道75km・駐車場代 8,000円)
Q電車と車を併用し、駐車場等の料金も負担している人の非課税限度額はどう計算しますか。
A

①1か月当たりの合理的な運賃等 + ②通勤距離に応じた非課税限度額 + ③駐車場等の料金相当額(上限5,000円) の合計額で、全体の上限は150,000円です。車を使う区間が片道2km未満の人は除かれます。

例:定期代115,000円+距離分32,300円+駐車場4,000円=151,300円を支給 → 非課税限度額は150,000円となり、超過分の 1,300円 が課税されます。

Q「1か月当たりの駐車場等の料金相当額」はどう計算しますか。
A

料金の定め方に応じて、次のとおり計算します(消費税等を含んだ金額)。複数の駐車場等を使う場合はそれぞれの合計です。

料金の定め方計算方法例
月単位料金の額(数か月単位なら月数で割る)3か月24,000円 → 8,000円
年単位料金の額 ÷ 12(複数年なら12×年数で割る)1年79,200円 → 6,600円
利用の都度1か月の実支払額の合計、または1回の料金×月の利用回数など合理的な方法回数券11枚1,200円×20日 → 2,182円
(簡便に120円×20日=2,400円でも可)
上記以外年間料金相当額 ÷ 127日5,880円 → 5,880×365÷7÷12=25,550円
Q通勤距離が片道2km未満の人が駐車場等の料金を負担している場合は、非課税になりますか。
A

非課税になりません。片道2km未満の人は、駐車場等の料金相当額の加算の対象から除かれています。

4 その他

Q従業員から駐車場の契約書や領収書を提出してもらう必要はありますか。
A

法令上の提出義務はありませんが、非課税限度額の計算には1か月当たりの料金相当額が必要なため、書類の提示を受けるなどして金額を確認しておく必要があります。

確認は支給のたびに行う必要はありませんが、料金が変わったときは従業員から申出を受けて確認します(すでに5,000円を超えている場合の値上げなどは、改めて申出を受ける必要はありません)。

Q会社が従業員に代わって駐車場を契約し、駐車場代を直接負担している場合も対象になりますか。
A

対象になります。実態として駐車場代相当額の通勤手当を支給しているのと同じため、その負担額を含めて非課税限度額を計算します。

例:片道50km(距離分32,300円)+会社負担の駐車場代6,000円=38,300円 → 非課税限度額は 32,300円+5,000円=37,300円となり、超過分の 1,000円 が課税されます。

出典:国税庁「通勤手当の非課税限度額の改正に関するQ&A」をもとに要約しています。詳細は国税庁の原文をご確認ください。